個人再生の手続を利用する場合であれば、再生計画の中に住宅ローンについての特別条項(これを住宅ローン特別条項といいます)を設けて、個人再生を申立てることができます。住宅ローン特別条項を利用するためには、①住宅の建設または購入、住宅供用地の取得またはその借地権の取得、住宅の改良のための借入であること、②分割払いの定めのある再生債権であること、③①の借入またはそれを保証した保証会社の求償権を被担保債権とする抵当権が設定されていることが必要です。
ただし、上記①に該当しない借入を被担保債権とする後順位抵当権が設定されている場合には、住宅ローン特別条項を利用することはできません。第三者に被担保債権を弁済してもらうことによって、その抵当権を消滅させてもらう等の手続を経る必要があります。
また、住宅ローンの残債務額が住宅の価値を下回る場合(いわゆるアンダーローンの場合)は、住宅の価値と残債務額の差額が財産として計上され、最低弁済額算定の際に考慮されます。その結果、住宅ローン以外の債務の総額によっては、個人再生によって債務額が減少しないことがあります。