計画弁済期間の2年間の延長を申し立てるか、または破産手続きに移行することが考えられます。また、再生計画の4分の3の支払いが済んでいれば、残る債務の支払いを免れる「ハードシップ免責」ができる可能性があります。
個人再生手続きでは、「やむを得ない事由で」再生計画の遂行が困難になった場合、2年を限度に弁済期間の延長を申し立てることができます(民事再生法234条、244条)。
例えば怪我による一時的な収入減少といった事由が「やむを得ない事由」にあたると考えられます。なお、本人の無過失や不可抗力までは要求されません。
もっとも、延長後の再生計画について、当初の計画案の決議・認可と同様の要件が科せられるため、例えば延長しても弁済できないような場合には延長は認められません。
また、東京地裁等では変更のチェックのために再生委員が任命されるため、その報酬を支払う必要があります。
延長できないような場合には、再生手続きの廃止と破産手続きの開始を申し立てることが考えられます(民事再生法249条1項)。これによって再生手続きが終了し、破産手続きによって債務の免責を受けられる可能性があります。
また、①再生計画上の債務の4分の3を履行している場合は、②債務者の責に帰すことができない事由によって③再生計画を遂行することが極めて困難になり、かつ④再生計画認可の時点で破産していた場合よりも多くの弁済をしていれば、残債務について免責を受けることができます(「ハードシップ免責」、民事再生法235条)。
この免責の効果は住宅ローン債務にも及びます。もっとも、税金や悪意の不法行為による損害賠償債務などは免責されません。
また、東京地裁等ではハードシップ免責の可否を調査するため再生委員が任命されるため、その報酬を支払う必要があります。